老親のための施設選びを考え始めると、様々な情報が溢れていて何から考えたらいいのか迷ってしまいます。「親のためにベストな選択をしたい」という思いは強くても、多くの選択肢の中でどう判断すればいいのか悩んでしまうのは当然です。この記事では、施設選びで最初に整理しておくべき3つのポイントをご紹介します。
ポイント1:本人の介護度と必要なケアレベル
施設選びの基本となるのは、ご本人の現在の状態と必要とするケアのレベルです。要介護度だけでなく、日常生活の中でどのようなサポートが必要かを具体的に把握しておくことが重要です。
チェックしておきたい点
- 現在の要介護度(要支援1~2、要介護1~5)
- 身体介助の必要性(食事、入浴、排泄など)
- 認知症の有無と程度
- 医療的ケアの必要性(服薬管理、褥瘡ケア、糖尿病管理など)
- 今後予想される状態の変化
例えば、現在は要介護2で基本的な身体介助が必要な程度であっても、進行性の疾患がある場合は、将来的に介護度が上がることを想定した施設選びが必要です。また、認知症がある場合は、一般的な老人ホームよりもグループホームなど専門的なケアが受けられる環境が適している場合があります。
ポイント2:立地条件と家族の訪問しやすさ
良い施設を見つけても、遠すぎて頻繁に訪問できなければ、ご本人も家族も不安を感じることになります。立地条件は、単なる距離だけでなく、アクセスのしやすさも重要な要素です。
チェックしておきたい点
- 自宅や家族の住まいからの距離
- 公共交通機関でのアクセスのしやすさ
- 家族の生活スタイル(仕事の忙しさ、休日の過ごし方など)
- 周辺環境(病院、商店街、公園などの有無)
- 気候条件(雪が多い地域など、季節による訪問のしやすさ)
「近いから良い」と単純に判断するのではなく、実際に訪問する頻度を考えて選ぶことが大切です。例えば、電車で30分の距離でも、乗り換えが多く時間帯によっては混雑する路線だと、実際の訪問頻度は下がりがちです。逆に、車で40分程度の距離でも、休日に定期的に訪問できる環境であれば、ご本人との関係維持にもつながります。
ポイント3:月々の費用と長期的な家計への影響
施設での生活は、長期間にわたるため、経済的な負担を現実的に考えることが不可欠です。無理のない費用設定でなければ、長期的な入居継続が難しくなる可能性があります。
チェックしておきたい点
- 毎月の基本料金(家賃、食費、管理費など)
- 介護保険サービスの自己負担額
- 入居時の一時金の有無とその返還条件
- 将来的な値上げの可能性
- 追加費用が発生するサービス(おむつ代、理美容費、レクリエーション費など)
- 本人の年金や貯蓄、家族の支援可能額
特に注意したいのは、表面上の月額費用だけでなく、実際にかかる総額を把握することです。例えば、月額15万円と案内されていても、介護保険外のサービスや日用品費などを含めると、実際は18~20万円程度かかることもあります。また、入居一時金が必要な施設では、退去時の返還条件をしっかり確認しておくことも重要です。
自分たちの状況を整理するためのチェックシート
以下のような簡単なチェックシートを作って、ご家族で話し合いながら記入してみると、優先順位が見えてきます。
- 介護・医療ニーズ(現在と将来)
- 現在の要介護度:
- 特に必要なケア:
- 将来予想される変化:
- 立地・アクセス面での希望
- 希望するエリア:
- 訪問予定の頻度:
- 訪問手段(車/電車など):
- 経済面での条件
- 月額費用の上限:
- 入居一時金の支払い可能額:
- 本人の収入源と金額:
これらの情報を整理した上で施設見学に行くと、より具体的な質問ができ、適切な判断ができるようになります。また、複数の家族で話し合う際にも、感情的な議論ではなく、客観的な視点で検討することができます。
施設選びは、一度決めたら終わりではなく、ご本人の状態や家族の状況に合わせて見直していくことも大切です。まずは上記の3つのポイントを整理し、無理のない選択をすることから始めましょう。
※施設選びでお悩みの際は、尾形老人ホームアドバイザーにご相談ください。介護現場での経験を活かした的確なアドバイスで、ご家族の状況に合った施設探しをサポートいたします。年中無休で8時〜20時まで対応しておりますので、お仕事帰りのご相談も可能です。